先生、あなたのことが好きでした。

  でも次第にあたしは納得できていた。

  仕方ないの、大人の勝手な都合なんだから。

  そう思うことにした。

  あたしは先生の一番近くの生徒でいよう。

  たとえ授業を持ってもらえなくても。

  そうも思えるようになった。

  それもやっぱり、菅野先生のおかげだった。

  受け持つことが出来ないことに対して、あたしたちは何も言わなかった。

  すれ違う度、少し話したりした。

  それだけで十分幸せだったのに。