先生、あなたのことが好きでした。
4スキ



  新しい先生になってしばらく経ったある日。

  あたしの周りはバレンタインで盛り上がっていた。

「ねぇ~真未は好きな人にあげないの?」

「へ?何を?」

「何をって……チョコじゃん!」

  実貴が呆れたと言わんばかりにため息をついた。

「あー……」

  好きな人にチョコ……。

  思い浮かんだのは、やっぱり先生だった。


  あげられるものならあげたい。

  でもあげられるわけない。

  先生に気持ちを伝えるなんて出来ない。

  自分のためにも、先生のためにも、それはしちゃダメだ。


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