病みに恋




ルイもりるさんもいなくなった今
私がピアスをする理由もなくなった


あの時は必死で開けた穴も、今じゃ
たんなる体の穴になった


服のポケットに入っていた拡張機で
無理やり拡張した


激痛が走ると共に温かい何かが首を伝う


8Gだった私は4Gのピアスを差し込んだのだ


痛さから流れる涙

涙の理由を知りたくなかった

痛みの涙でごまかしたかった

「それをお前の体じゃねぇ。傷つけてぇ
なら俺にやらせろ」

暗くて見えないけど低音ボイスが響く

近づいてきて月の光で照らされたのは
りるさんだった


こらえていた涙がまた一筋流れる


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