病みに恋
何時間ここにいただろう
ここにいると純粋な気持ちになれた
ミネラルウォーターも2本目を口にした
そんな時、足音が聞こえた
暗くて見えないけど、こっちに近付いてきている
そして私の前で動くのを止めた
「蘭」
低音ボイスが私の耳に響く
月明かりで見るとそこにはルイがいた
驚きで声が出なかった
ルイの前から突然姿を消した罪悪感がまだ
私の心の中に残っていたから
なにもいわない私を、ルイは立ち上がらせて
抱きしめた
りるさんのことで感情を忘れてしまったかの
ような私は否定するわけでもなく、受け入れ
るわけでもなく、
ただただ抱きしめられていた
「話がしたい。俺んち来ない?」
「ゃだ」
人と話すことの久しぶりさに声に力がない
今日はこの夜空を見ていたかった
この夜空に私という存在を見られていたかった