あの日に戻るまで
私が仁を覗き込むと息を呑んで私をおろしてくれた
けど手は離さず私を掴んでいた
仁は顔が赤かった
それを見た瞬間に私は体が固まってしまった
だって今の顔
反則だよ
私のつかんでいない反対の手で口を抑え目をとろんとおろしていてほっぺたが真っ赤に染まっていた
私が…私でそんな風になったの?
もしそうならば嬉しいよ
私どきどき言ってる
脈がすごく早い
どうしよう
でも自惚れたらだめだよね
だって相手はおさななじみだから私のことなんて目に入っていなくて光希だって可能性が高い
「光希ちゃん!早く早く!」