15才
まだ薄暗く冷たい空気の中、窓辺から仄かに陽光が差し込み、その眩しさに目を細める
手元に置いてあるマルボロから新たに一本取り出し、火を付けた
もうこれで何本目だろうか
灰皿にある吸殻が、ほとんど一箱潰したことを気付かせる
もうストックが無い
俺は溜め息を吐き、空箱を握り潰し、この暑苦しいスーツを脱いだ
昨日は葬式だったのだ
窓から強い陽差しを感じて、もう朝なんだと気付いた
目を閉じると目蓋の裏側には、遺影の君の笑顔が焼き付いていた