恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-
…って思ったし…、

“長居は無用かな…”

…とも思った。



それからさらに一週間後、いよいよあたしの居場所がなくなった。

新人の作った製品ということで通常より人員を増やして検品作業を行なっていたものの、だいぶん作業にも慣れ、とりあえずとはいえ安心して新人たちに製造を任せられるようになったため、あたしら臨時の検品作業員は全員お払い箱になった、ってこと。


「終わったな、あたしのココでの生活も……」

そう小さくつぶやいて、あたしは100均ショップの飴をクチに放り込んだ。

「奈央ちゃん、ここにいたんだ!?」

休憩室に眞鍋さんが駆け込んできた。

「昼休みが終わったら話があるから集まるようにって。今、社員の人に言われたんだ」

「“今までご苦労さま、お達者で”とでも言ってくれるのかな」

「さぁ? 分かんねぇけど」

とにかく、昼休みが終わると眞鍋さん、星野さんと一緒に言われた場所に向かった。


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