恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-
ゲーム1 「最後の切り札」
ドクン、ドクン、ドクン……
そのとき、あたしの心臓は爆弾になってた。
ドクン、ドクン、ドクン……
そして、今にも左胸の奥で破裂しちゃいそうになってるのを、そっと右手で押さえながら、あたしは小さく何度も深呼吸をした。
「お待たせしました。夏目奈央さん、こちらへどうぞ」
「あ……ハイっ」
その日、とある人材派遣会社を訪問したあたしは、係の女の人に案内されて採用試験の会場へと足を踏み入れた。
全てのはじまりは3日前。
その日の夕食があんなじゃなかったら、今頃あたしはこんなところにはいない―――