恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-

「ちょっと待った」

…ってアイツが声をかけてきた。


「…!」

一瞬、やっぱりあたしと離れるのがイヤで引き留めてくれるのかと思った。


だけど……、


「今月分のココの家賃と光熱費の半分、ちゃんと俺の口座に振り込んどいてくれよな」


「………」

ちょっとでもアイツに期待したあたしがバカだった。

最後の最後の最後の瞬間まで、アイツはあたしを失望させ続けた。

そこまで徹底してると、ある意味、感心さえしちゃう。


これからアイツと同棲をはじめる新しいカノジョのことを思うと、少し同情しちゃう気もするけど、もうあたしには関係ない。



寮へと向かう軽トラックの中でのこと……。


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