恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-

第一印象……ちょっと怖そうなヒト。

目つきが鋭い感じがして、なんか、うかつに話しかけられないような硬派で禁欲的(ストイック)な雰囲気が漂っている。

この人があたしの後継者に決定したワケね。

でも、このヒトを指導するっていっても、ちょっと怖そうだし、なんか注意とかして逆ギレされたりしたら、そーとーイヤかも……。

ぶっちゃけ、このヒトの担当はヤダ…。

他の人に代わってほしいかも……。


「じゃ、よろしくね」

そう言って、忙しそうに社員さんが去ってしまうと、若い男の人は黙ってあたしに“どうも…”という感じに頭を下げた。

あたしも黙って頭を下げた。


とにかく、あたしがこの人に指導してあげなくちゃ、新しいラインに異動できないんだよね…やるしかないか……。


「えっと…基本的な作業手順は、もう習ったんですか……?」

「はい…ココに来る一週間前から別のラインで、ずっと流してましたから……」

「じゃあ、さっそくで悪いんですけど流してみますか……?」
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