恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-


それにしても……。


どうすれば渋谷祐二ともっと話ができるようになるんだろ?

彼が全然仕事ができない人なら、手取り足取り教えてあげられるのに、逆に彼は優秀すぎてハッキリいって何も教えることがない。

まぁ、別に仕事のハナシじゃなくても、フツーに雑談とかしてもいいんだろうけど、でも雑談ってどーいうこと話すんだろ?

普段、雑談なんて意識しないでフツーにやってるもんだし、あらためて考えてみると、なにを雑談したらいいのかなんて、まったく見当もつきやしない……。


その晩、あたしが一睡もできなかったのは、あたしのカラダと抱き枕の相性が悪かったせいだけじゃないと思う。

“どうやって渋谷祐二に話しかけたらいいんだろう?”って考えているうちにすっかり目が冴えてしまったんだ。


結局、一晩寝ないでアレコレ考えたあげく、あたしはそれまでしていなかった“あいさつ”を自分のほうから積極的にしてみようと思い、そして勇気を出して実行に移した。

それは、はじめて彼のほうから話しかけられた翌朝――つまり金曜日の朝のこと。


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