恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-


現に今この時間だって、社員食堂の窓際の席で、眞鍋さんと一緒にごはんを食べている渋谷祐二のほうをチラ見していたし。

「おーい、もしもしぃ」

「え…なんか言った?」

「なに、さっきから向こうのほうばっか見てんのよ」

あたしが彼のほうをチラ見してること、星野さんはバレバレだったみたい。

「いや。渋谷さんと眞鍋さん、いつの間にあんなになかよくなったんだろうと思って」

たしかに、彼が眞鍋さんと談笑しながらごはんを食べている光景は、普段、無口でおとなしい彼が特定の人と親しげにしている、はじめての目撃例だった。

いつの間になかよくなったのかは知らない。だけど彼となかよくなった眞鍋さんのことがうらやましいことだけは間違いない。


だけど、その夜、あたしは寝ないで考えた…、

“このまま渋谷祐二のことを好きになってもいいのかな?”

…って。


“一晩寝ないで考えてからやった行動も、突然思いつきでやった行動も、起きる結果はどっちも同じ”
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