恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-
「なに水臭いこと言ってんだよ。奈央ちゃんから“相談に乗ってほしい”って言われて、俺が無視するとでも思った?」
「ごめん……」
「で、なんの相談? ひょっとして今週末の競馬は、どの馬に賭けたらいいか、って相談かな?」
そう言って微笑む眞鍋さん。
「いえ、あたし、競馬は……」
だけど、あたしは今、笑えるような精神状態じゃなかった。
「ごめん。茶化すつもりはなかったんだけど、奈央ちゃん、緊張してるみたいだからリラックスさせてあげようと思ったんだ」
「…! ごめんね、気を使ってもらって」
「いや、別にいいんだけど。それより相談があるって、なんの相談?」
「その…人間関係について……」
「人間関係って? 俺、そんな難しい相談になんか乗れるのかな?」
「眞鍋さんじゃないとダメだと思う…多分…きっと……」
「え、“俺じゃないとダメ”って、いったい何の相談?」
「うん……」