恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-
「飲み屋さんに行って飲んだりとかは滅多にしないんですけど、でも家で缶ビールくらいはフツーに飲んだりしますよ」
「飲んだらどうなるの?」
「別にどうにも」
「いやいや。渋谷さんみたいに普段おとなしい人こそ、飲んだら別人に変身するんじゃないの? カラオケのマイク握ったら離さないとか」
「カラオケは滅多に歌いません」
「でも、あしたはあたしの送別会でもあるんだから、渋谷さんの歌を聞かせてほしいな」
「そうですね。気が向いたら歌いますよ」
「楽しみにしてるね♪」
今日は新人研修最終日だった。
でも最後の最後になって、渋谷祐二との心の距離が一気に縮まったような気がした。
もっともそれはあたしが勝手にそう思っただけだったのかもしれないけどね……。
その晩、あたしは一晩中悩み続けていた。
飲み会に着ていく服が決まらなかったからだ。
「コッチかな? それともコッチかな…?」
「飲んだらどうなるの?」
「別にどうにも」
「いやいや。渋谷さんみたいに普段おとなしい人こそ、飲んだら別人に変身するんじゃないの? カラオケのマイク握ったら離さないとか」
「カラオケは滅多に歌いません」
「でも、あしたはあたしの送別会でもあるんだから、渋谷さんの歌を聞かせてほしいな」
「そうですね。気が向いたら歌いますよ」
「楽しみにしてるね♪」
今日は新人研修最終日だった。
でも最後の最後になって、渋谷祐二との心の距離が一気に縮まったような気がした。
もっともそれはあたしが勝手にそう思っただけだったのかもしれないけどね……。
その晩、あたしは一晩中悩み続けていた。
飲み会に着ていく服が決まらなかったからだ。
「コッチかな? それともコッチかな…?」