恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-
「じゃあ…すみませんけど、失礼します……」



「……ごめんね……」

ようやくあたしの頭の中に一つだけ言葉が浮かんできた。

「急に誘ったりしてびっくりしたよね…?」



「あ…いえ……」



「ごめん…」



「いえ…俺のほうこそ……」



「本当にごめんなさい……」



それがあたしの言えるせいいっぱいだった。



電話を切った後、しばらくは不思議とココロが静かだった。

涙が出たのは夜、ベッドに入ってからのことだった―――――


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