恋合わせ －私じゃ…ダメなの？－

翌日は祝日で仕事は休みだった。

でも、まだ暗いうちに目が覚めてしまったあたしは、ベッドを出て窓を開けて、夜明け前のひんやりとした空気を肌に感じながら、テーブルの上のケータイを手に取ると、ぼんやりと着信履歴を見つめた。

「………」

そこには渋谷祐二のケータイ番号が履歴としてちゃんと残っている。

そのことは昨日の悪夢のような出来事が、実際に起きた現実の出来事だったことを、今さらのように教えてくれる。


「ふぅ～…」

あたしは大きく長いため息とつくと、ダイビングするようにしてベッドに倒れ込んだ。


「う～ん…」

ひとしきりうなったあたしは“ゴロリ”と仰向けになって、再び着信履歴に目を落とした。

そこには渋谷祐二のケータイ番号がハッキリと記録されているんだ。


「まだ、連休は今日一日残ってんじゃん……まだ……諦め切れないよ……」

時計の針が午前１０時をまわった頃、あたしはリダイヤルボタンを押した。