放課後ドロップ
「だから、ごめんね」


 そのあと少しだけ何か会話した様子だったけれど、
 すぐにパタパタという靴音が遠ざかっていった。

 大きなため息がひとつ、
 長く零れたかと思うや足音が近づいてきた。

 多分、なのだけれど近づいて来る。

 織原さんのものではない。
 だって、壮ちゃんはあんなに軽い音で走ったりしない。
 ペッタペッタと、
 例えなくても今この耳に届く音だ。

 どこかに隠れてしまいたいのに、
 ゆったりとした足音がすぐ側まで来ていた。

 動きようもなく、
 ただ頭を抱えるようにして丸くなる。

 見ないフリをしてーっ!


「なつー、何やってるわけ?」
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