放課後ドロップ
「秋月、」

「ん、ああ、ごめん」


 話しを聞いていないと言う意味での呼び掛けだと咄嗟に思い軽く謝ったが、彼女はくりくりとした目を数回瞬きしてから首を傾げた。


「何が?」

「……いや、何も?」


 単に呼んだだけらしいので、適当にごまかして終えようとした。
 特に用がなくても、笹倉は俺を呼ぶ。
 その事で注目されるのも冷やかされるのも妬まれるのも嫌だった。
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