放課後ドロップ
 板に当たりリングをグルグルと回りながらゆっくりとネットを通るのをみとどけて、


「やるじゃん、秋月!」


 話の事をすっとばして、笑顔で言ってくれた彼女は手の平を軽くあげる。ハイタッチをしろと言うことらしい。

 一瞬周りの視線に躊躇ってから、ぎこちなく照れて笑い左手でそれを隠しながら、彼女の手に俺の手を軽く乾いた音がするくらいに当てた。

 俺なんかがこんなことしていいんですかね?

 彼女の方は俺が返さないと思っていたらしく、くりくりとしたその目をより一層まるくしてじっと俺をみた。
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