〜うちのバストの秘密〜
……遡ること、少し前。
シーンと静まり返った廊下を少し早足で歩く。
ヒタヒタという少し不気味な音が、
自分の足音だとは思えなくて、
誰かにつけられてるわけでもないのに自然と速度が増していく。
…教室の前まで来て、立ち止まる。
入らなきゃいけないのに、入れない。
……だって、こんな静かなとき入ったら注目の的じゃん?
そんなの、チキン夕花には恥ずかしすぎる…
あーもー!
だから嫌だったんだよ、遅刻。
心の中で、早く入らなきゃ!という気持ちと
このまま逃げてしまおうか!という気持ちが葛藤し合って
今のうちは板挟み状態。
多分、すごい情けない顔をしてる。