暁に消え逝く星
夕食でアルライカが今日の出来事を報告すると、リュケイネイアスは、それを渋い顔で聞いていた。
「どうやら、シバスを出るのを待ってたようだな」
「どうするよ。これから」
アルライカの問いに、リュケイネイアスは簡潔に答える。
「明日は、ソイエ、お前が行け。もう一度来るか確かめるんだ」
「了解」
「グレンは? まさか連れてくのかい?」
「当たり前だろう。奴らの目的がわからん以上は皇子にも協力してもらう。昨日の今日で身代わりを準備したら、それこそ怪しまれる」
「もちろんだ」
イルグレンが強く頷く。
「私の命がかかっているのなら、私が行くのが筋だ」
「あんたが死んだら、全部無駄になるんだよ?」
「死なないさ。お前とソイエがいるなら、私は安全だ」
「――」
にっこりと笑われて、アウレシアはそれ以上何も言わなかった。