暁に消え逝く星
天幕の中ではまだ風を遮るので、毛布によって手足の冷えも次第に温もりを取り戻すことができた。
しかし、今日からしばらくは天幕を張らない野宿だ。
吐かずに食べられる唯一の夕食も、一時的に体を温めてくれたが、それももう効果はない。
皮の裏に毛布を縫いつけた、防寒を備えた大きな野営用の毛布で体をすっぽり覆っているが、手足の冷えが、どんなに待っても全く戻らない。
吐いた息が、白くさえなるのだ。
こんな寒さは、一度として感じたことがない。
激しくはないが、止まることのない風の音が耳につき、寒さをいっそう際立たせる。
眠ることもできないが、それでも眠ろうとさらに毛布を手繰り寄せる。
眠らなくては、明日の移動には耐えられない。
必死で毛布の中で手足をこするが、全く効果はなかった。
「おい、そこで寝るな。もっとクナに寄れ」
男の声が上からした。