暁に消え逝く星
屋根のある場所での就寝は久方ぶりだった。
そして、自分達の統領が連れている女が休めることが一番の安堵だった。
彼らは皆、この旅で、女がとても小さく、細くなったような気がしていた。
無理もない。
この強行軍は、男でも音を上げたくなるほどなのだ。
それを、旅もしたことのない女が、文句一つ言わずに着いてくる。
最初は体力が伴わず、嘔吐や失神を繰り返していた女も、今では何事もないように馬に揺られて移動についてきていた。
それでも、女は小さく、華奢で、まるで大切に扱わねば壊れてしまう白磁の人形のようだった。
自分達の統領が大切にしているのなら、自分達も彼女を守らねばならない。
男衆達はそう自覚していた。