妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~
私は周りを気にしつつ自然に自然に横へと寄って行き彼に近づいた。
彼はとてもじゃないが人間とは思えない。
白のような銀色の髪に灰色の目。
左右均等に整えられた美しいと言えるルックス。
足を止めじろじろと横目で彼を観察する私はどう見ても不自然にしかなかっであろう…。
しかし男は何も言わず私を見つめ返すだけで暫くそのままでいたがそっと口を開く。
…その顔で何を言うんだ?とまたも横目で見ていると
「何?お前もしかして俺の事、見えてんの?」
馬鹿にしているともとれてしまう言い方…それに表情。
カッチーン という効果音がつきそうな私はあくまで冷静になろうと彼に体を向け
「…見えてない」
彼の灰色の目をしっかりとらえて言った。
「お前、嘘ついてんだろ」
この野郎ッ!…なんて言いそうになるが一度深く息を吸い込み吐き出す。