妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~
次に鞄から水を取り出し キャップを開けるとなんの躊躇いもなく彼の頭にかけてあげた。
「…ッ!?お前何すんだよ!」
予想していなかった事態に男は豆鉄砲をくらった鳩のように驚き戸惑っていた。
すっかり無くなってしまったペットボトルを鞄にしまいべー、と舌をだし私は学校へと続く道を逃げるように走った。
感じ悪い人ッ!!
何よ!ちょっと顔がいいからって偉そうな態度とっちゃって!
私は流れる汗を拭くこともせず走って走ってがむしゃらに走り続けた。
あの出会いで私の中の闇に埋もれていたモノが光にさらされようとしていると気づかず
そしてまた闇に包まれていた真実が動き始めたことにも…――――。