妖怪のアイツと人間の私 ～夏空に想いを～

私が住んでいる場所は緑が多く山に囲まれ綺麗な川が流れている所だ。


まぁ、田舎という事だ｡



私の同級生たちはショッピングモールがないとか 不便だとか喚いているが 私は結構好きだと感じていた。



空気はいいし、都会より空が綺麗。


だから今日も空を見上げながら通学路を歩く。



そうやっていると…


「うー…誰かー。」


どこからか助けを求めるしわがれた声が聞こえた｡


視線を元の高さに戻し遠くの方を見てみると小さな幼児くらいの体をして頭に動物のような耳があり和服姿の男の子がいた。


通り過ぎる人達に声をかけているようだが全く相手にされていない…


いや、見えていないのだろう。



私はその小さな男の子に近づき立ち止まる。


「おｯ!!!お主、わしが見えるのかｯ!?」


私は周りを気にしつつコクンと小さく頷き道の横にある林の方へ指差す｡