妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~
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私は帰る支度をして学校を出て朝、変な男と会った場所まで来ていた。
私のほかに学校が終わり 家へと帰る小学生や中学生、散歩をしているおじいさんがいたが瑰竜の姿は見つからない。
やっぱりいないなぁ…
どこに行けば瑰竜に会えるんだろう。
キョロキョロとしていると道の横にある林からガサガサと音がした。
気になって近づいてみると…
「…よいしょっと!おッ!彩花、丁度良いところに…――」
頭に何枚も葉っぱをのせた瑰竜が現れていた。
「朝はごめんね…」
「そんな事気にしておらん!―…それより、彩花に来てもらいたい場所があるのじゃ」
来てもらいたい場所?
どこなんだろう…
「いいから、いいから!」
…と言いつつ瑰竜は私の手を引っ張っていた。