妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~


瑰竜の言う魄弥っていう妖怪と会うのは初めてだし…―(当たり前か。)

それに人間に見つからないように結界をはっておくほど人間を嫌ってるんじゃないの?



益々私の顔色が悪くなっていくが瑰竜は気にした様子もなく屋敷の中を進んでいっていて…


1つの部屋の前で立ち止まると襖に手をかけ勢いよく開けた。


スパーンと音が響き…そんな乱暴に開けたら怒られるかもと心配してしまう私だったが、その中にいる人物と目が合い固まってしまった…。





「―…何で」


「やはり魄弥と知り合いなのか?」


私の態度に瑰竜は納得のいかないような表情をして言った。



「…ああ。俺に水をぶっかけてくれた人間だ。」


ふてぶてしく椅子に座り 灰色の瞳が鋭く私を見やっていた。

その瞬間、私の顔色はよりいっそう悪くなり真っ青になっていた。





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