妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~
「…あの、それで私に何の用…でしょうか?」
内心ビクビクして言ったら…
「敬語なんか使わなくていい。…あと、俺の顔を見ろ」
意外にも優しい声で下を向いていた顔を上げ魄弥を見た。
…やっぱり綺麗な顔立ちだなぁー
白に近い銀色の髪は太陽の光によりキラキラと輝いていた。
「―………か。」
「えっ?」
思わず彼に見惚れていたら魄弥は何かを呟いていたが私には聞こえなかった。
「…何でもない。俺は魄弥。お前の名はなんと言う」
「彩花。」
はっとしたように魄弥は言い直すと何でもなかったかのようにしていた。
私は気になったもののどう聞けばいいか分からず とりあえず自分の名を名乗っておいた。
「彩花、お前には人間以外の者が見えるんだな?」
コクリと頷く。
「そうか…」