妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~


私は駅の近くにある花屋で両親、どちらもが好きだった百合の花束を買った。


額に流れる汗をハンカチで拭きつつ歩いていると

浴衣を着た女の子と男の子が仲良く手を繋ぎながら歩いているのが見えた



―…そっか。今日は七夕祭りがあるもんね。


今はまだお昼過ぎといった時刻で開いている屋台は少なかったが二人はどうやらりんご飴を買うようだった。







―――――…『アヤカ』



二人の様子を微笑ましく見ている時だ…


不意に私を呼ぶ声が聞こえた。



振り返って声の主を探してみようと試みたがそれらしき人物は見当たらない。




―今のは誰?


聞いた事のある声…
幼く、けれど優しい声。


思いだそうとする私だけど脳が…体が拒否するかのように思い出せない。


でも知ってる…私はこの声を―――。





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