妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~
しかし妖怪と話をしたのは初めてだ…。
元は東京に住んでいて妖怪というより亡くなった人(幽霊)と話をするのが多かった気がする。
そのせいで色々と苦労もしてきたが………。
だけど自分が会いたいと願う人には会えないでいる…。
なぜかはわからないが
「おーいッ!彩花?」
「―…あっ。ごめん」
考え事をしている間、瑰竜は何度か私に話しかけていたみたいだ。
「瑰竜。申し訳ないけど私もう行くね」
「えっッ!?そうなのか」
瑰竜は泣きそうな顔で私を見つめている。
腕時計を確認するともうそろそろ学校に向かわなければ遅刻してしまいそうな時間になっていた。
「うん。また帰り道ここ通るから…」
そう言い、私は立ち上がり瑰竜に手を振りいつもならゆっくり空を見上げながら歩く道を小走りで 学校に行った。