妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~
未定
―――――…
「…やか!彩花ッ!!!」
すぐ近くで瑰竜の声が届きゆっくりと目を開けた。
視界いっぱいに瑰竜の顔がありちょっと…というか大分驚いて目をぱちくりさせていたら
「離れろ。瑰竜」
魄弥の声が後ろから聞こえたかと思うと瑰竜が唸り声とともに私から離れていき体を起こした。
周りを見渡すが見慣れない部屋。
どこか年代を思わせる洋室の一角に置かれたベッドに寝かされていたみたいだ。
「気分はどうだ?」
「…普通。それよりここはどこ?お父さんとお母さんは?」
私はお父さんとお母さんの手を握りかえした…
今頃家族3人で幸せに暮らしているは…ず?
―…違う。あれは両親なんかじゃなかった。
醜い妖が私を呑み込もうとしていたんだ…
「あーあ。馬鹿だ。私…本当、馬鹿。笑っちゃうよね!あははっ…はは」