妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~
ぶっきらぼうに言うと魄弥はポンポンと私の頭を軽く叩いていた。
「……………。」
何も言えずにいる私に魄弥の手は離れていき
「俺に触られるのは嫌、か…」
寂しそうに言っていた。
…そんな訳じゃッ!!!
そう言いたいのに言えない。口が上手く開かない
離れた魄弥の手の感触が 消えていくのを感じながらも黙ったままでいた。
「今日はもう帰れ」
「…うん。」
瑰竜は何か聞きたげな表情だったが魄弥は大体予想はついているようで私を門の所まで見送ってくれた。
「ありがとう」
「ああ。気をつけて帰れよ」
「うん」
「…くどいかもしんねぇけど…待ってるから」
「……うん」
…どうして?なんで?
私に優しくするの…
私が可哀想な人間だと同情したの?
そんなのいらない…
私を可哀想な人間にしないで。余計に苦しくなるから…。