妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~



「あッ!彩花ちゃん。お帰りなさい」


リビングに入ると紗代さんと和宏さんが出迎えてくれた。


「ただいまです」



時計をみるともう17時過ぎだった。




私は荷物を置きに行こうとしたが…

「あら、彩花ちゃん…その腕」


紗代さんの言葉で足を止め自分の腕を見てみた。


「―…ッ!?」


両方の腕にくっきりと残る赤くなった痕

おそらくあの妖に掴まれた時にできたものだと思い背筋が凍る…―


あの恐ろしい光景が思い浮かび手が震えてきていた。




「彩花ちゃん…?どうしたんだい?」


「!!…何でもないんです」


和宏さんの声に我にかえった私は逃げるように2階へと上がり自分の部屋に入った。


静かな部屋に物音1つせず私の鼓動と息の音が響いているだけでそれが不気味さを醸し出していた


私はドアに寄りかかりそのまま床に座り込んだ。







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