妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~


「ああ!そうなのじゃ… まだお子ちゃまだとかそんな事ばっかり言うんじゃ!!」


プンスカ怒る瑰竜からして大分言われてきたのだろうことは予想がついた



「まあまあ…それだけ大事にされてるって訳じゃないの?」


泥がついてしまっていた顔を拭きながらそう言うとたちまち瑰竜は嬉しそうに頬を赤らめ、そうかのう…、と言っていた。



瑰竜は魄弥のことが好きなんだろうな…。




「…で、どうしたの?私に何か用があった?」


「いや。特にない。ただ会いたくなっただけじゃ」



「それだけの為にこんな大雨の中、私なんかに?!」


思わず大きな声を出してしまい通り過ぎる人達に怪訝そうに横目で見られてしまっていた。




何を考えているんだ…

私に会うためだけにずぶ濡れになりつつここまで来るなんて



あの屋敷からここまでは近いとは言えない。


なぜ、そこまでして…?




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