赤い鳥
「私男の人の家泊まるの初めてだし…」

苦笑いして貴はいつもの優しい笑顔で言った。

「手ださないから大丈夫だよ。病人に手ださない。
それに親友に手だしたくねーよ。大事な奈緒にさ。」

『大事な奈緒』

そのワードだけ私の頭に残った。
大事ってどういう意味?
親友として?それとも『好き』って意味?
気になるよ・・・。

「それに俺違う部屋で寝るし。なんかあったら呼べよ?
メールでも電話でも何でも。すぐ行く。」

嫌。嫌だよ。
こんな時こそ傍にいてよ。

「それじゃおれい・・・」


そう言いかけた貴の言葉を遮ったのは私。

「嫌…行かないで…ずっと傍にいて。」
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