さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「きゃっ!!」
「おっと。」
沖田さんに見とれてしまって、思わずぼーっとしていたみたい。
傍に落ちていた何かに躓いてしまった。
うう、恥ずかしい。
沖田さんの前でこんな失態見せるなんて。
「…っ!」
思わず、ハッと息を呑む。
ガタガタと、膝が震える。
まさか、そんなことって。
みるみる赤が巣くう。
「…目、瞑って。」
その声が降ってきたと同時に、グンと手を引かれる。
私は瞼を固く閉じて、沖田さんにすべてを委ねることしか出来なかった。