さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
5分くらい走って、足を止めた。
「…ッはぁ、大丈夫?」
「は、はい…」
本当は、まだ大丈夫なんかじゃないけど。
私が躓いたもの。
無惨に切り刻まれた、それ。
もうなんだったのかも捉えられなかったけれど、あれはきっと人間だった。
初めてだ。
あんな残酷な殺され方をされたものを見るのは。
飛び出た内臓や、顔ですらぐちゃぐちゃにされていた。
辺りが暗かったし、一瞬の出来事だったからよくは見れなかったけれど。
「…っく…」
吐き気が。
吐き気がする。