さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
まささんが来て、原田さんの本当の気持ちに気づいたから。
私を通して、まささんを見ていたこと。
ずっと、まささんの影を探して生きていたことに。
「そんなこと、ないよ・・・」
弱く否定する。
原田さんは今まで私に対してではなく、私を通してまささんと接していた。
あの笑顔も、言葉も、全部私に投げかけたものじゃない。
改めてそう気づかされる。
ちょっと、寂しいかな。
仲が良かった分、尚更のこと。
原田さんが話していたのは、私であって私じゃなかったのだから。
「どうかしたか?」
突然黙り込んだ私を、心配そうに覗き込んでくる。