さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―




「原田さん、あのね・・・」





「なんだ、あんたたちまだこんな所にいたのかい。」




言葉を遮られる。




この声は、キンさん。




「お前らが歩みを止め立ち話なんぞしてるから、追いついてしまった。」




冷たい斎藤さんの声。




こ、恐い。




おばけより、野犬より、斎藤さんが怖いですよ。




「分かったよ。おい、行くぞ。」 




強引に手を引かれる。




「あっ・・・」





本当に一瞬。




本能的な行動だった。




「ごめんなさい・・・」





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