さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「はは。総司、無理はするなよ。」
近藤さんが焦ったようにフォローする。
近藤さんも、真の武士ってものを目指しているのかな?
そうには見えないけれど。
そんなことを考えていたら、近藤さんはゆっくりと口を開いた。
「とりあえず、この会はお開きにする。…が、状況は極めて悪化している。そのことを気に留めておくように。」
近藤さんの言葉で、みんなが一斉に腰を上げた。
私も、出て行かないと。
そう思った瞬間、誰かが私を呼び止めた。
「お前はちょっと残ってくれへんか?」
「…うん。」
特徴的な関西弁は、間違いなく烝。
みんなが次々と部屋から出ていく中、私と烝だけが部屋に残った。
沖田さんが心配そうな目でこちらを見ていたことが、ちょっとだけ気がかりだけど。