さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
平助がここに来た理由とは、やはり長州藩のことだった。
「諸士調役兼監察の山崎・島田によって、炭薪商を経営する枡屋、古川 俊太郎の存在を突き止めました。」
やっぱり、と思う。
歴史は歴史通りに、寸分の狂いもなく着々と進んでいる。
「それで、対応は?」
「会津藩に伝達を出しているところです。もうじき古川を捕獲に入るかと。」
ハジマリの鐘が聞こえる。
池田屋事件の。
そして、新選組の。
新選組の栄華はここから始まったんだ。
それと同時に、終幕へのカウントダウンも。