さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―



「今の新選組は人員不足だ。すまないが、明日は一緒に来てほしい。お前の力量を十分に理解しての上頼んでいることだ。」




まさかのまさかだ。




一番避けたかったパターン。






「えっと…」




思わず俯く。




土方さんに頭まで下げられてしまえば、最早私に選択権はない。




最早、行きたくないなどと言える状況ではない。




みんなの視線も私に集中しているし。





「…わかりました。」




しぶしぶ承諾する。




しょうがない。





一年前、赤に染まると決めたのは私自身。





悔いても、もう遅いことなのだから。




自分にそう強く言い聞かせて、なんとか堪えた。





「明日は極めて困難な状況になるかもしれない。その覚悟はしておくように。」





土方さんは相変わらず冷たく口を開いた。




覚悟。




覚悟を決めなければ。
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