さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「はうー…」
みんなが出て行った部屋で、一人うなだれる。
こんな事になるなんて、考えたこともなかった。
まさか、あの舞台に私も立つなんて。
────ガラッ
その瞬間、強引に襖が開く。
だ、誰?
襖の向こうから見えるシルエットを、じっと見据える。
「!?・・・なんだ、お前か。」
「はっ、原田さん、どうしたんですか?」
「忘れ物だよ。」
ひらひらと巾着をちらつかせる。
「そ、そっか・・・。」
残ったのは、沈黙。
気まずい。
この間の肝試しから、原田さんとの関係はぎくしゃくしている。
といっても、私が一方的になんだけど。