さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「余計な人数を連れてくると、混戦しますからね。私は的確な判断だと思いますよ。」
山南さんが沖田さんの肩にぽんと触れる。
なるほど、と思う。
この面子と人数ならば、わざわざ人数を増やすよりも勝手が良い。
土方さんに沖田さん、そして山南さんとくれば敵はいないだろう。
私はおまけだとしても。
「中には8名ほどしかいません。恐らく、問題はないかと。」
「承知した。それじゃあ、突入するぞ。」
ぎゅっと刀を握る手に力を込める。
この感覚にも、ずいぶん馴れた。
冷たく光る銀も、もう眩しいとは思わない。
「あず、いざというときは俺が守るから。」
「沖田さん…」