さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「うおおおお!!」
最初に刀を振り上げたのは土方さん。
────ギリリ
刀と刀が嫌に擦れる。
「ここは俺と山南さんで押さえ込む!一之瀬と総司は奥の古高を!」
「わかりました!」
土方さんは、入り口まで出てきた5人を相手する、と言っている。
古高は任せた、と。
沖田さんと視線が絡むと、こくりと頷いた。
それを見て中へ入り込む。
枡屋は入り口が狭かったせいかそうは見えなかったけれど、思ったよりも奥行きがある。
待ち受けていたのは三人の藩士。
古高がどの人かはよく分からないけれど、一人だけ衣装が違っていたからそれだ、と直感する。
「古高は俺が。あずは残りの二人を!」
「はい!」