さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
振り返った先には、喉元に刀を突き立てて微笑む沖田さんの姿があった。
それに、両手・両膝を地面につけて震える古高も。
「手足を縛るの、手伝ってくれるかな。」
殺さずに捕まえるには一人じゃ無理だから、と手招きしてくる。
着物を返り血に染めることなく捕獲するなんて、やっぱり凄い。
「ちょっとでも抵抗を見せたら、即効斬るからね?」
「…わかっておる!」
悔しそうに歯を食いしばって俯く姿は、とても長には見えなかった。
なんていうか、覇気がない。
古高の手足をぎゅっと縛り終えると、丁度土方さんと山南さんが歩み寄ってきた。
浅葱色の羽織を赤く染めて。
「無事、任務終了ですね。」
山南さんはぐるりと辺り一辺を見まわした。