さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「ま、ええわ。俺がしたいのはそういうことじゃない。」
「何よ?」
一気に空気が張り詰める。
突然、烝が真剣な顔つきになるから。
「沖田さんのことなんやけど…。」
沖田さん。
いきなり出てきたその名前に、思わずビクッとする。
「沖田さんが、どうかしたんですか!?」
彼になにかあったらどうしよう。
病状が悪化したとか?
ううん、治療法が見つからないとか…?
慌てている私とは裏腹に、烝はくすっと笑うとある一冊の冊子を差し出してきた。
「俺が留守の間、これを…。」