さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
取り調べ
あの後、枡屋にいた七名を撤去、古高捕獲の命を遂行し、怪我人もなく無事に屯所に戻って来た。
すべて終わったのかしら。
池田屋事件は、ここで終焉?
まさかそうとは思えないけれど、この後何か起こるような気配もしない。
ただ、妙な胸騒ぎが残る。
「…どうかしました?」
「いえ、なんでもないです…。」
このつっかかりを、話した方がいいのかしら。
ううん、折角解決に向かっているのに、余計な口出しはしない方がいい。
「古高の取り調べが始まったみたいですよ。局長、副長直々に行っているそうです。」
「そうですか…」
虚ろに答えると、山南さんは少し困った顔をした。
私の反応が気がかりなのだろう。
でも、この目で確かめるまではそれを口することはできない。
「山南さん、お願いがあります。」