さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「これは、一体…?」
「隊士ひとりひとりの、怪我とか病気についてまとめたもんや。」
分厚くまとまった冊子をぺらぺらと捲ると、すごく細かく対処法や薬の種類などが書いてあった。
「凄い…。」
思わず圧倒される。
ただの変態だと思っていたけれど、実際はこんなにも必死に新選組のために尽くしている。
これが、きっと烝の“誠”なんだろう。
人それぞれ形は違っていても、みんな心の中に“誠”を掲げている。
「…ごめんなさい。」
「どうしたん?」
突然頭を下げた私を、烝は驚いた顔で見つめてくる。
「烝のこと、ただの変態だと思って馬鹿にしてたから…。」
こんなに一生懸命にみんなのことを考えてくれていたのに。
軽蔑していたこと、心から申し訳ないと思う。
「・・・っ・・・ははっ!あははは!!」